山栗日記

日々のできごと、随想、旧暦の観察記録

エスプレッソの楽しみを教えてくれた本

コーヒー

エスプレッソコーヒーが好きで、エスプレッソをうりにしているお店を見るとつい飲みたくなってしまう

いつ、なぜエスプレッソが好きになったのか思い出せないのだが、大学の卒業旅行でイタリアに行ったのと前後する時期だったと思う

イタリアへ行って、数回使って終わるかなと思いながらも記念にエスプレッソメーカー(マキネッタ)とデミタスカップを買った

予想に反してちょくちょく使い、“我が人生で買ってよかったお土産”トップ3に入るお土産になった

悔やまれるのは、自分しか飲まないかと思って1人用のマキネッタにしたこと

家族も気に入って飲むことが多いので、2~3人用の大きいサイズにすればよかった

いつか機会があったら買い足したい

 

エスプレッソを楽しむようになったのは、とある本の影響が多分にあると思っている

イタリア人のアレッサンドロ・ジョヴァンニ・ジェレヴィーニさんの『ボクが教えるほんとのイタリア』(新潮社)というエッセイ本だ

ジェレヴィーニさんは、吉本ばななさんなど多くの本のイタリア語訳を手掛けた人で、日本語が日本人以上に堪能みたいで、この本も流暢な日本語で書かれている

イタリアの文化や常識を紹介していて、イタリアでワイン好きというのはお洒落じゃないとか、夜にカプチーノを飲むと奇異の目で見られるとか、参考になることが軽快な文章で綴られている

海外のモノは簡単に入ってくるけど、文化や作法などの無形のものは簡単に知ることは難しいので、この本はとても貴重だと思う

 

そして、この本からはジェレヴィーニさんのエスプレッソコーヒー愛と、それにまつわるイタリア人らしすぎるエピソードが溢れているのだ

 

この本によると、イタリア人はエスプレッソメーカーを洗わないらしい

洗ってもごしごしこすらない、むしろ次に使うまでコーヒーの粉は入れっぱなしにするとか、家によって様々な流儀があるんだとか

洗わないって…

ずぼらな私でも、お茶の急須を洗わないとか無理だわ

これを読んで、買ってきたマキネッタもしばらくの間、洗剤を使わずに水洗いするだけにしていたが、毎日使うわけでもないし、汚れが気になって今では毎回ごしごし洗ってしまっている

イタリア人にはなれない私

 

家でエスプレッソを淹れる時は、この本に書かれていた淹れ方でやっている

その“ジェレヴィーニ流「うまきエスプレッソの淹れ方」”は

  1. 加熱型のメーカーの、下の部分の安全バルブを目安にし、水を入れる
  2. フィルターを入れたら、その細かい穴から水が溢れてないことを確認する
  3. 無理に押し込まないで、エスプレッソ専用のコーヒー粉をフィルター一杯に入れてから、上の部分をしっかりと締める
  4. 弱火で沸かし、「フフフ」という音がしてきたら、数秒を待って、出来上がり

そして、熱いうちに早く飲むこと

 

外で飲むエスプレッソはハズレも多いが、この淹れ方だと安定したエスプレッソを楽しむことができる(マシンで淹れたエスプレッソとは違うものだけど)

 

ジェレヴィーニさんは砂糖をたっぷり入れて飲むのが好きらしいが、私には真似る勇気はなく…

それでも外で飲む時はたまに、砂糖をざざっと入れて混ぜずにコーヒーをくいっとあおり、最後に砂糖をスプーンで掬ってコーヒー風味の砂糖をじゃりじゃりと味わうことも

 

またイタリアへ行って本場のエスプレッソを飲む機会はあるかしら