【旧暦】端午の節供と梅雨入り
新明解国語辞典*1によれば、「陰の気を払うため、ショウブ・ヨモギを軒にさしてする節句」とのことである
梅雨のじめっとした雰囲気を払い除ける意味合いがあったのであろうか
新暦(グレゴリオ暦)が採用されている現代では、爽やかな初夏の節句になり、かつての意味合いは分からなくなっている
旧暦の五月五日は梅雨入りと前後する時期にあたり、鯉のぼりも昔は梅雨の最中に飾られるもので、鯉の滝昇りを模していたと考えられる
鯉の滝登りは立身出世の象徴だ
滝を力強くぐんぐん昇る鯉のように立派に育って欲しいという願いが込められていたのだろう
それが、西洋の暦が採用されたことにより、初夏のからりと晴れた空を泳ぐものになった
近年では、鯉のぼり飾る家は減り、代わりに川や公園などにたくさんの鯉のぼりが飾られ、ゴールデンウイーク中の行事として定着しつつある
令和育ちの子らにとって鯉のぼりは、家で見るものではなく、野外イベントで見るものになるのだろう
祭事や節句の意味合いややり方が変化するのは今にはじまったことではないので、別に反対するつもりはない
むしろ爽やかに泳ぐ鯉のぼりは、見ていて清々しい気分になるので好きだ
ただ、昔はこうだったんだということを記憶に留めておいて欲しいなとは思う
どれが正しいとか正しくないとかではなく、物事は変化しているということを知っているのといないのとでは、視野の広がりとか、物事の捉え方とかが全然違うと思うので
なんて考えていたら、関東地方は今日、梅雨入りしたとの発表があった
この時期の通勤電車や駅は、ぴりぴりとして陰の気が漂いまくるので憂鬱だ
なんとかならんもんかねぇ
梅雨を楽しむまでは行かなくとも、憂鬱でなくなるような暮らし方ができるようにしたいな