若かりし頃の平成をどう思い出すのだろうか
週始めは雨で寒い思いをしたので、今日は晴れたな嬉しいなと思っていたら、暑くて日陰にいないとたまらない日になった
休憩時間に公園の木陰にあったベンチで休んでいたら、手押し車を押した年配の女性がツツツと近づいてきて、お隣よろしいかしらと言って腰かけた
ベンチはたくさんあり、なぜここに?と思ったのだが、見回すと日陰になるベンチはここぐらいなのだった
人が座っているベンチに近づく人は、だいたいお話し好きの方が多いわけで、この女性も「暑いわねー」から始まり、ちょっとずつ話が広がった
そして唐突に「私が若い頃は、戦後でお洒落なんて出来なくてね」と言われた
その時の私の恰好は、作業着
全くお洒落とはほど遠い恰好だったのだけれど、なぜその女性は「お洒落」を話題にする気になったのか、まったくもって謎である
「母の銘仙をほどいて仕立て直したわ」なんて言っていて、私世代としてはその銘仙羨ましいなどと思ったりもするが、戦後ネタにはどう返していいかわからずまごまごするのが常で、今回も「そうですか」などとまごついた返事しかできなかった
それからベンチを離れ、ふと、戦中・戦後を知っている人と話をすると、何が大変だったとか、苦労したという話をされるけれど、私が老人になったとき、若人に私が若かった頃はどんなだったと話をするのだろうと思った
“私が若かった頃”はちょうど平成期にあたる
老後、私が若かった頃(平成)をどのように思い返すのだろう
老人になった私は、手押し車を押して公園に散歩に行ったりするのだろうか
そして若者をまごつかせるようなことを言うのだろうか
戦中・戦後時のようにインパクトのある思い出話がないことを幸せに思いながら、散歩をして、公園でのんびりひと息つけるような暮らしができているといいな